いまさら準オープンの除外問題を考えてみる (1)識者の見解

続きから違う話へ (須田鷹雄の日常・非日常)


 全く別な話だけど、いま話題の準オープン除外問題も「レースを増やし足りなかった」なんて単純な話じゃなくて、地方競馬を含めた競馬全体のデザインが崩れた結果なわけですよ。
 具体的には、南関東の網に引っかからない馬が下にこぼれていくんじゃなくて、逆に中央に還流してしまうのが原因(あるいは、最初から居座って出ない。500万で超頭打ちでも)。それで500万下がパンパンになったところを勝ちあがり制で上へ上げていったら、準オープンがボトルネックになった、ということでしょう。

除外続出の背後にあるもの (競馬サロン◇ケイバ茶論)


年間合計3456レースという「器」から、稼働可能な馬が溢れ始めているのだ。JRAが必死になって各条件戦のバランスを取ろうとしても、総量がオーバーフローしているのだから、それもおのずと限界がある。

 参考:JRAの馬名登録数の推移 (JRA事業報告書よりデータをかき集めたもの)

年度新規登録数新規登録数中、
地方転出馬の再登録
登録取消数年度末数
2005505937148667933
2004500837549827740
2003487432547457715
2002465316747797588
20014705942927715
20004653
39477302
19994413
42706596



 準オープンの除外問題は、識者の見解によると、どうやら「JRAの競走馬数がオーバーフローしている」というところに行き着くらしい。調べてみるとたしかにJRAの馬名登録数は右肩上がりだから、競走馬数が増えてる→でもレース数は規則で定められてる→レースに出られない馬が増えてる、という説には説得力がありますね。


 ただ、気になったのは、JRAの競走馬数が増えた原因について。


 須田さんは「地方転出馬の出戻りの増加」、ひしあまぐりさんは「高齢馬の引退時期の遅れ」あたりを主な原因だと見ているようだけれど、それだけでは99年度にはもう始まっていた新規馬名登録馬数の増加をうまく説明できないところが。出戻り馬が増えたのは再登録条件が緩和された(最近はまた厳しくなったけど)01年度以降だし、高齢馬の引退時期の遅れは新規登録馬数の増加とは関係ないし、これはもっと違うところにも原因があるんじゃないかという気がする。