『たいようのマキバオー』第1回の感想

 つの丸さんがやろうとしているのは、「今あえて“古いもの”を真正面からぶつけること」なのではないか。


 無敗の2冠馬に熱狂する人々を、「競い合うライバルがいてこそおもしろいんじゃねえか」と冷ややかに見つめるオールドファンの描写。地方馬vs中央のスター馬、という構図。これから描かれるのはおそらく、テンポイントvsトウショウボーイのような、ハイセイコーオグリキャップのような、あまりにも前時代的な物語だろう。そして、オールドファンのぼやきを新しいファンに「回顧厨うぜー」と罵らせてみせたあたり、つの丸さんはそれを故意犯的にやろうとしているように思える。



 さて、これはどう転ぶかなあ。


 「こういう競馬ってやっぱりいい」と受け止められて、多少でも“古き良き競馬”の復権を成し遂げるのか。あるいは、読者にそっぽを向かれて、ドン・キホーテ的に“古き良き競馬”の終わりを告げるものになるのか。これは、ちょっと興味深いですよ。