岩手競馬の現状について
このままだと、6月末までの四半期決算の結果がでる7月中旬には廃止が決定されますね。これで、「いや黒字になりますから」と言って、また県民を騙していると、さすがに詐欺になるんじゃないですか。それに、赤字の補填分にまた更に税金を投入するってのは無いと思いますし。
■はてなブックマーク > - Shining Blade -: 引き算の美学
惨状が公開されていて、全くおっしゃる通りと思う訳だが、一方で岩手競馬周辺を見る限りでは廃止の空気は感じない。なんなんだろこのギャップ。
岩手競馬に関する情報を日々あさっている身として、反応しておこう。
岩手競馬の売上は、たしかにひどい状況です。かなり甘い売上計画を立てていたこともあって、今年度の売上は当然のように計画を大きく下回っています。報道によると、今年度は4月5月だけで7200万円ぐらいの赤字を出しているそうです。
ですが、すぐにでも廃止になりそうかというと、これがまだそんなに切迫した感じではない。というのも、岩手競馬は今、収入の不足にコスト削減で支出を減らして対応することで、年間トータルでは赤字を出さないようにしようとしているのですね。4月5月の収支からこのペースだと年度で「4億3000万円」の赤字が出るという計算して、これから「4億7000万円」のコスト削減をして対応しようとしている。岩手競馬の存廃基準は、
1.競馬事業存廃の基準
・各年度において、年度を通じて経常損益で黒字又は収支均衡
・次年度について、経常損益の収支均衡を達成する見込みがないようであれば廃止
・年度途中であっても、年度を通して経常損益の収支均衡を達成する見込みがないようであれば廃止
なので、このコスト削減をきっちりとして年度トータルで赤字を出さない見通しが立てられれば、とりあえず今年度ぐらいは持つわけです。<岩手競馬周辺を見る限りでは廃止の空気は感じない>というのは、おそらくこのへんからくるものでしょう。
まあ、報道によると「どこのコストを削るか」ではかなり揉めそうだということなので、コストを削りきれずに夏にでも廃止になることもありうるでしょうし、たとえきっちりコスト削減ができて急場をしのげたとしても、その先こそが問題なのですが*1。
追記:ちょうど今日付けで、関係者間で4億8100万円のコスト削減の合意が取れたそうなので、たぶん今年度ぐらいは持つんじゃないでしょうか。
なんだかいたたまれなくなったのでレス。
■岩手再建案3つのポイント編 (みんなの予想を超えて@はてな)
岩手競馬に特化したニュースサイトとのことで、黒船雷電の人が岩手競馬のために立ち上げたそうです。口だけで何もしない人たちを横目に素晴らしい行動力で超感動した。
えーと、ごめんなさい、私はそんな殊勝な人間ではありません。
私が“岩手競馬のニュースサイト的なもの”をやろうとしたのは、「岩手競馬のため」というより、「私自身が、岩手競馬を通じて地方競馬や日本の競馬の状況をもっと知るため」なのですね。自分が地方競馬を取り巻く状況を理解しきれていない、という思いがまずあって、そこらへんの理解を深めようという試みの一つがあれだと。結局は自分のためなわけで、shindouさんの言うほどがんばってはいないです。
セリ市でのレポジトリー(獣医学検査資料の保管・閲覧室)に関するメモ
レポジトリーとは、直訳すると保管庫という意味で、競り市場においては<上場馬情報を保管・管理し閲覧する場>ということになる。
(馬市ドットコム)
別に馬を買ったりはしないんだけど、興味が湧いたので情報をあさってみた。以下は、それについての自分用メモ。
■セレクトセール レポジトリー利用規約 (日本競走馬協会)
■セレクションセール レントゲン閲覧室の開設について (日高軽種馬農協) 注:pdf
セレクトセール・セレクションセールの場合、レポジトリーを利用できるのは、購買者からの依頼を受けた獣医と、その獣医に同行した購買者本人(またはその代理人)だけ。また、レポジトリー内で得た情報を第三者に漏らすのは御法度とのこと。
■さらに透明なセールに−レポジトリーの意義と効果 (日本競走馬協会会報「日高便り」)
■2006セレクトセール (フサイチDX)
セレクトセール2006のレポジトリーについて。セリ主催者は「レポジトリー内がごった返すほどの盛況」と自慢げな一方、関口会長は「閲覧する人はそれほど居なかったみたい」。
■「セリ上場馬におけるOCD」が発刊〜適確な購買判断をするために (馬市ドットコム)
→(関連)馬の飛節軟腫と骨軟骨症
■大腿骨内果骨嚢包馬の競走成績 (馬医者修行日記)
「レポジトリーでこういう病気が見つかっても、競走生活への影響がない可能性もあるよ」という意見が紹介されている記事2つ。
■セリのためのX線撮影 (馬医者修行日記)
レポジトリー用のレントゲン写真撮影数の増加で、X線技術者が被爆する危険性も増加。
■レポジトリーに意味があったか? (馬系の話か日記か雑記か否か)
■セリのX線撮影、結腸捻転、そしてW杯 (馬医者修行日記)
レポジトリーを設置するなら「即金」「即引取り」にしたほうがいいんじゃね?という意見2つ。
■小塚アナのブリーズアップセールレポートin中山競馬場 (ラジオNIKKEI)
2006JRAブリーズアップセールでの、レポジトリーの写真あり。
『たいようのマキバオー』第1回の感想
つの丸さんがやろうとしているのは、「今あえて“古いもの”を真正面からぶつけること」なのではないか。
無敗の2冠馬に熱狂する人々を、「競い合うライバルがいてこそおもしろいんじゃねえか」と冷ややかに見つめるオールドファンの描写。地方馬vs中央のスター馬、という構図。これから描かれるのはおそらく、テンポイントvsトウショウボーイのような、ハイセイコーやオグリキャップのような、あまりにも前時代的な物語だろう。そして、オールドファンのぼやきを新しいファンに「回顧厨うぜー」と罵らせてみせたあたり、つの丸さんはそれを故意犯的にやろうとしているように思える。
さて、これはどう転ぶかなあ。
「こういう競馬ってやっぱりいい」と受け止められて、多少でも“古き良き競馬”の復権を成し遂げるのか。あるいは、読者にそっぽを向かれて、ドン・キホーテ的に“古き良き競馬”の終わりを告げるものになるのか。これは、ちょっと興味深いですよ。
最近理解したことや考えたこと
- よって、現状の「地方競馬というシステム」で競馬を続けるのは限界が見えており、将来的にも「そこで馬が走っている幸せ」を守ろうとするのならば、それに代わる新しいシステムを打ち立てなければならない。
- が、新しいシステムを打ち立てるられるまでの間は、暫定的に「地方競馬というシステム」ででも競馬を存続してもらう必要がある(一度競馬が無くなってしまったところに再度競馬を起こすのは難しい)。
- というわけで、私は今後、「新システムを模索すること」と「とりあえず地方競馬を廃止させずにはおける道を探すこと」を平行してやっていこうかと思っています。
……どすか?
「それはおかしい」とか「分かってないな」とかいうところがありましたら、突っ込みプリーズ(決算期が近くていろいろ忙しいのでレスポンスは遅れるかもしれませんが)。とりあえず、学ぶ気だけはありますので。
噛み付いてみたらちょっと賢くなれました
・“甘い”以前の問題だったようで(傍観罪で終身刑)
Southendさんの言いたいことを、コメント欄の長文を読んでようやく諒解。なるほどなるほど。
いろいろと恥を晒してしまいましたが、結果としてためになる見解を細かく説明してもらえることになったというだけでも、噛み付いてみた価値はあったかな。読解力が無いせいで、Southendさんにはえらい手間かけさせてしまって申し訳ないですけれども。