バブル崩壊後の地方競馬の経営状態 (5)兵庫・益田・福山・高知
◇兵庫県競馬
=メモ=
園田競馬場と姫路競馬場の2場で開催。かつてはアラブ専門だったが、1999年からサラブレッドを導入しはじめ、2006年には完全なサラブレッド競馬に移行した。単年度赤字を基金で埋めて経営を続けてきたが、2006年度には基金が底をつき累積赤字が発生する見込みで、存廃論議が活発化しそうだとのこと。
=関連=
・兵庫県競馬組合振興対策について〜その1〜 (園田姫路ニュース)
・県競馬組合、配分金ゼロ 赤字で基金125億が1億円に (神戸新聞)
◇益田競馬 (2002年度に休止)
=メモ=
アラブ馬主体で開催していた。累積赤字が膨れ、益田市が財政再建団体に転落する恐れが出たため、2002年8月に休止。
=関連=
・第三次益田市行財政改革審議会 緊急答申
・「日本最小」の限界 ――故・山口瞳「うかうかすれば潰れちまう」 (高知新聞 「高知競馬」という仕事)
・競馬場廃止考(1) 潔い引き際、益田競馬 (宇田川淳の地方競馬コラム)
・競馬場廃止考(14) 理想的廃止例、益田競馬のその後 (宇田川淳の地方競馬コラム)
・『日本一小さな競馬場の最期〜藤原厩舎の選択〜』 (フジテレビ)
◇福山けいば
=メモ=
アラブ馬限定でレースが行われていたが、2005年度からサラブレッドを導入。累積赤字額が増え、一部からは「廃止すべき」との声もあがっているものの、2005年度には賞金額の大幅削減などで黒字になったこともあってか、まだ本格的な存廃論議はされていない。なお、2001年度末で17億円ほどの基金残高があった。
=関連=
・福山市営競馬事業―赤字続きで21億円を補填― (日本共産党福山市議会議員団)
・人気回復へサラブレッド導入 (読売新聞)
◇高知競馬
=メモ=
累積赤字が膨らんだため、1999年度に検討委員会が設置され、「今後3年間で黒字化できなければ廃止も考えるべき」との提言がまとめられた。その後も収支はあまり改善されなかったが、2003年3月、「2003年度からの累積収支で赤字になったら即廃止」という条件付きで、それまでの累積債務を高知県と高知市が穴埋めしての存続が決定。
現在は、2003年度のハルウララブームによる黒字分を取り崩すなどで、なんとか赤字を避けつつ競馬を開催している状態。が、そのハルウララ貯金も2006年暮れには底をついており、先行きが危ぶまれている。
=関連=
・競馬対策室 (高知県農林水産部)
・高知県職員措置請求監査報告書 (高知県監査委員会事務局)
・競馬関連の予算案に対する反対討論の要旨 (日本共産党高知県委員会)
・地方競馬の今 どうする岩手競馬 (岩手日報)
・「高知競馬」という仕事 (高知新聞)
・ハルウララブームに学ぶ (四国新聞社)
・競馬場廃止考(8) 退路を絶たれた高知競馬 (宇田川淳の地方競馬コラム)
・壊れてしまった競馬 (競馬サロン◇ケイバ茶論)
・高知競馬、廃止免れる (netkeiba.com)